崖の上のポニョと東日本大震災

大学に入って間もない頃、映画館でポニョを見て下記のような記事を書きました。
崖の上のポニョの解釈(12歳以上向け)
http://aikansyheiwa.blog21.fc2.com/blog-entry-25.html
ポニョの世界観が死後の世界というのは、宮崎駿監督の要請も含めて作曲の久石譲氏が公言していました。
久石譲の言葉
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映像が出来るに従って、子供の純粋な心だけが描かれた映画でないことがわかってくる。謎めいた展開は説明されぬまま、見る者に解釈がゆだねられる。
「死後の世界、輪廻(りんね)、魂の不滅など哲学的なテーマを投げかけている。でも、子供の目からは、冒険物語の一部として、自然に受け入れられる。この二重構造をどう音楽で表現するか。そこからが大変でした」
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/ghibli/cnt_ponyo_20080731a.htm
(2008年7月31日 読売新聞)
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一部で死後の世界説がガセだのデマだの言う人もいるようですが、上記インタビューで制作者自身が公言している通り、宮崎駿監督の要請を受けての作曲だったので、全く無関係であるということはないです。(もしそんな無意味な子供ウケだけの作品なら誰でも作れます)
生まれ変わりの際の「忘却のスープ」の話や、
(不思議現象の研究者:森田健)
山の上のホテル。人は天国に行くまで一時的に魂を休めるホテルのような場所があるという話、
(ベストセラー「死後体験」の著書である坂本政道)
中々マニアックな元ネタを仕込んでくるなぁと感じました。
この映画は2008年に公開の作品で、まさか2011年の3月11日の東日本大震災でポニョと同じような津波の大災害が起こるとは思いもしませんでした。
期間が離れているのでシンクロニシティとまでは言いませんが、やはりどこか連想されるものはあります。
この死後の世界の解釈があったにしても、なかったにしても、この作品は津波被害の話なので、この先10年以上は発禁になると思っていましたが、1年半後の2012年8月24日に金曜ロードショーで放送されました。
おそらく「大人と子どもで解釈が違う」という、久石譲氏の言葉を借りれば「大人は死に対する哲学的なテーマ、子どもは冒険物語、という二重構造」の見方が、この作品の良い意味でのバイアスになっていると思います。
大の大人であっても、理解が追いつかずに、これは単なる冒険物語だと子ども的な解釈で落ち着けたい人もいるでしょう。
それはそれで良いかもしれません。
大切なのは、哲学的な深い意味にしても、冒険にしても、カタルシス(感動)を通して自分自身がどう生きるかです。
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