伊勢神宮一人旅 前編 2013式年遷宮 -内宮-(1日目)

どうもここ数年、あまり好ましくないことばかりが続いて気が滅入ってきたので、気持ちを入れ替えようと三重県伊勢市の伊勢神宮へ一人旅いってきました。
伊勢神宮へ行くのは2006年以来(高校3年生の時)以来の7年ぶりです。
主な目的は、「事始めの神様」である猿田彦神社へ参拝することと、日本のトップの神様(アマテラスオオカミ:天照大御神)を祀っている伊勢神宮の御神霊の場触れることです。
人は、良かれ悪かれ「その場」に触れることで、場と自分が「同調」します。「同調」を定期的に行うことで自分を正常に保てます。
旅をする時はいつも「必ずここへ行って~する」という一つの目的・場所を持って出かけ、それさえ達成したら他のことは付属の楽しみように考えるのが、出かける前も帰ってきた後も充足感があります。
伊勢神宮の参拝順路は外宮→内宮の順です。外宮あるいは周辺神社をひと通り周ってから、最後に内宮を周るのが正しいです。ただ、今回は時間の関係上、内宮→外宮という順路で行きました。
10:00頃~
五十鈴川駅に到着
月讀宮(つきよみのみや)まで徒歩で行きました。(バスだと中村駅という所で下車すると目の前です。歩くと少し遠いのでバスがベストです。)

ご祭神である月讀命(ツキヨミノミコト)は、内宮の天照大御神(アマテラスオオカミ)の弟です。
日本神話では、伊弉諾(伊邪那岐命:イザナギノミコト)の右目から生まれた神様で、
左目から生まれたのが天照大御神(アマテラスオオカミ)、鼻から生まれたのが素盞鳴尊(スサノオノミコト)です。(古事記より)
このイザナギの左目(アマテラス)、右目(ツキヨミ)、鼻(スサノオ)を合わせて「三貴神」と言います。
「太陽の神様」である内宮のマテラス(左目)に対して、ツキヨミ(右目)は「月の神様」です。
太陽と月を対比する神様とするのは、比較神話学では世界共通のようです。
例えば、
ギリシア神話においても太陽神アポロンと月の女神アルテミスが双子、
中国の盤古伝説の、盤古が死してその左眼が太陽に、右目が月になったという起源譚、
「旧約聖書」創世記の、天地創造の四日目に、神が空の中に「二つの巨いなる光」、すなわち太陽と月を創り上げて、それぞれに昼と夜を司らせ、光と闇を分けたという日月の創造でも語られます。
内宮や外宮に比べて神社の規模が小さいせいか、観光としての参拝者は少ないです。
すごい神様なので、個人的にはもっとピックアップされてもいいのではないかなぁと思います。
基本的に、日本の○○宮の神様は「本体」と「魂」の2つの構造で、別の場所に祀られています。
人で例えると「身体」と「魂」です。
その「魂」の部分には、荒魂(あらたま)・和魂(にきたま)があります。
荒魂は神の『荒々しい側面、荒ぶる魂』。天変地異を引き起こし、病を流行らせ、人の心を荒廃させて争いへ駆り立てる神の祟りは荒魂の表れである。
それに対し和魂は、『神の優しく平和的な側面』で雨や日光の恵みなど、神の加護は和魂の表れとされます。
人で例えると、「魂」に「荒々しい性格」と「優しい性格」の2つがあると思ってください。
この月讀宮(上の画像)では、月讀命(ツキヨミノミコト)の本体の「月讀宮」(右から2つ目)、それと魂の「月讀荒御魂宮」(一番右)が並んでいます。
手前2つが、
伊弉諾尊(いざなぎのみこと:イザナギ)を祭神とする伊佐奈岐宮(いざなぎのみや:左から2つ目)、
伊弉冉尊(いざなみのみこと:イザナミ)を祭神とする伊佐奈弥宮(いざなみのみや:一番左)です。
イザナギは前述した通り、左目(アマテラス)、右目(ツキヨミ)、鼻(スサノオ)です。
イザナギとイザナミは夫妻で、イザナギが夫、イザナミが妻です。この2人が日本列島を作りました。

(夫のイザナギ=右、妻のイザナミ=左)
参拝は月讀宮(右から2つ目)→月讀荒御魂宮(右一番奥)→伊佐奈岐宮(左から2つ目)→伊佐奈弥宮(左一番手前)の順が正しいです。
ここで解説すると書ききれないので、詳しくは「古事記」を読むことをオススメします。↓
岩波書店の「古事記」もいいですが、最初はイメージした方が分かりやすいので、イラスト歴史本や漫画で学ぶのもオススメします。
11:00頃~
次に、月讀宮の中村駅からバスで、猿田彦神社前で下車し、猿田彦神社(さるたひこじんじゃ)に来ました。

ご祭神は猿田彦大神(サルタヒコオオミカミ)。天孫・瓊々杵命(ニニギノミコト)が天界から降臨した時に、伊勢の国から案内した神様です。
そのため「事始めの神様」「道ひらきの神様」と呼ばれ、これから何か始めようと考えている人や、人生の岐路に立ってる人には最適な神様です。
境内には他に天宇受賣命(アメノウズメノミコト)という、アマテラスオオカミが天岩戸に隠れしまった時に、舞を舞って岩戸を開かせた女神が祭ってあります。
芸能の始祖とも呼ばれ、芸能関連や華やかに仕事したい人に最適な神様です。
この猿田彦神社前から徒歩で信号を渡れば、伊勢神宮の内宮前の「おかげ横丁」という土産や食べ物屋さんが立ち並ぶ、昔からの路地に入り込めます。

12:00頃~
おかげ横丁の「鈴木水産」と「うどんや ふくすけ」で昼食を食べました。
「鈴木水産」の海産物

おかげ横丁内で最も安価で生の海産物が食べれる場所がこの鈴木水産です。
食券制になっていて店頭で焼いてくれます。大アサリが380円(左上)、焼き牡蠣が190円(右上)、生うにが390円(左下)、あわびステーキが980円(右下)です。
僕は生まれて初めてカキとあわびを食べましたが、個人的には大アサリが一番美味しかったかなと思います。
調味料は用意されてないので、こだわる人は醤油か何かを持参するといいと思います。
「うどんや ふくすけ」の伊勢うどん

鈴木水産の近くにあります。伊勢うどんは、麺が少ないのに太くて低コストでケチってるとたまに良くない感じに言われますが、昔はお伊勢参りするのに瀕死で到達する人も多くいたので、簡単に手で食べれるように太く、緊急時に汁をこぼさないように汁を少なくと、必然的に低コストうどんになったようです。
そんな伊勢のファーストフードを歴史の面影を感じながら食しました。300円~400円で美味しいので出し惜しみすることもありません。
そこからそのまま徒歩でおかげ横丁を観光しながら伊勢神宮の内宮へ向かいます。
降っていた雨もパァと晴れてきました。
13:00頃~
「皇大神宮(こたいじんぐう:内宮)」御正殿前

日本神話の最高神の神様です。日本中にある神棚の中心の御札はすべてこの神様です。
前述した月讀宮に祀られているイザナギの左目から、この天照大御神(アマテラスオオカミ)が生まれました。
アマテラスオオカミはイザナギから天界の高天原の統治を任される→弟のスサノオの乱暴に怒って天岩戸に閉じこもる→天上界も下界も暗黒に包まれ悪神が暴れ災いが生じる→天岩戸の前で祭りをやってアマテラスオオカミを岩戸から出す→天地が再び光に満たされる
…という話は、昔話でも聞いたことがあるのではないでしょうか。
このためアマテラスオオカミは「太陽神」とも呼ばれます。日本で最高のトップの神様です。
上の画像の御正殿の階段前までしか撮影は許されず、この階段の上に御正殿があります。
その御正殿は、唯一神明造り(ゆいいつしんめいづくり)と呼ばれる日本最古の建築様式で作られています。
創建は2000年前で、20年に一度、建て替えを行います。ちょうど今年2013年がその式年遷宮の時期で、僕が行った時にはすでに隣に引越しする準備が出来ていました。
・少し余談になりますが、式年遷宮のいくつもある儀式の中で「遷御の儀」(せんぎょのぎ)という御神体を旧殿から新殿へ移す最も重要な儀式があります。
これは一般人はおろか、神職も選ばれた人しか参列できません。日本の最高神の超極秘な儀式です。
少し俗な話ですが、伊勢神宮は寄付の会員制になっていて納めたお金に合わせて階級があります。トップ会員は1000万円以上の寄付額です。寄付額に応じて参加できる儀式が決まっています。
ずっと気になっていたのは、この「1000万円レベルの会員は遷御の儀に出られるのか?」ということです。
実は今回、運良く参拝客が少なかったので、伊勢神宮の御正殿前で、三級正装クラス(二級正装クラス以上の宮司の隣にいたのでおそらく禰宜か権禰宜だろう)の神職の方にそのことが聞けました。
結論から入えば、貢献度や実績に応じて参列することはできるようです。また他にも大手企業の経営者・社長さんなども招待しているようです。割と伊勢市の地元住民が多いらしいですが、それ以上のことは聞かされてないらしいです。
ここから参拝経路順に行けば、皇大神宮(こたいじんぐう:内宮)の魂である「荒祭宮」があります。
文字通り、アマテラスオオカミの「荒魂(あらたま)」が祀られています。こちらも忘れずに参拝します。
他にも内宮の境内内に細かい末社・分社があるので、時間の許す限り参拝して周ってみましょう。
続く
伊勢神宮一人旅 中編 -居酒屋 海山と伊勢ウィークリーマンション-(宿屋)
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伊勢神宮一人旅 後編 2013式年遷宮 -外宮-(2日目)
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