強迫・自己愛・境界性人格障害の二分法思考の違い

6年前に作った図「神経症の二分法思考回路」
http://aikansyheiwa.blog21.fc2.com/blog-entry-45.html
二分法思考による認知の歪み
http://aikansyheiwa.blog21.fc2.com/blog-entry-46.html
境界性人格障害者の二分法思考
http://aikansyheiwa.blog21.fc2.com/blog-entry-47.html
境界性パーソナリティの成因と特徴
http://aikansyheiwa.blog21.fc2.com/blog-entry-49.html
境界性人格障害(ボーダー)の人への対処法と留意
http://aikansyheiwa.blog21.fc2.com/blog-entry-50.html
少しここで、強迫性人格障害と、自己愛性人格障害と、境界性人格障害の「良い、悪い」だけに二分法された思考の図(↓)を、まとめて記載しておきます。

【1】強迫パーソナリティー:両自己像は多かれ少なかれ同時に意識されています。彼らは一方で自信がなく、自らを劣った存在と思っているようにみえますが、それは実は全てを知り全てを行なうことができる全知全能の自己像を基準にして判断されています。彼らはたとえ今はできないとしても本当はできるはずだと考えています。
考えていること:
「自分には良い部分も、悪い部分もある。しかし自分は良い部分しかない全知全能で完璧な人間である。よって悪い部分はすべて良い部分にしなければならない。他者もそうしなくてはならない。」
【2】自己愛パーソナリティー:劣った・悪い自己は否認されて、優れた・良い自己のみが意識に上っています。彼らは外界や他者をコントロールすることでよい自己像が保たれるように努めますが、他者は必ずしもコントロールできないので、そこに失望や傷つきが生じ、これらに対して彼らは怒りで反応します。他者に対して怒ることで、劣った・悪い自己像が意識に上るのを防いでいると考えられます。
考えていること:
「自分は悪い部分など何もない。自分は誰よりも完璧で良い部分しかない。万能にデキすぎちゃって困るくらいだ。全知全能な新世界の神だから、理解も経験も足らない劣った下々の他者を自分の思ったように動かさなくてはならない。全人類は最も優れた自分を頂点に進化していくべきである。」
【3】境界パーソナリティー:優れた・良い自己像と劣った・悪い自己像は分裂し、患者は交代性にその一方を生きます。一方が活性化しているときには他方は意識化されません。しかしこの分裂は完全に成功しているわけではなく、彼ら自身自己が変わってしまうことにどこかで気付いていて、そのことを恐れ当惑しているようにみえます。
考えていること:
「”自分は優れた良い人間”であり”自分は劣った悪い人間”でもある。それらは別の自分である。他人にも良い人間と悪い人間しかいない。自分の感情を満たす者が良い者で、それ以外は悪である。」
・・こんな感じです。
多くの方々の人間関係の中にも潜在的にこういう方々はゴロゴロいるはずです。
次は自己愛性人格障害について記載します。
自己愛性人格障害の成因と特徴
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人に悩みを植え付ける根源である神経症・人格障害者への考察・対処法まとめリンク
http://aikansyheiwa.blog21.fc2.com/blog-entry-243.html
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