神経症の特徴①②

動物的本能(欲求や感情)であるエス[Es]を抑圧すると神経症になることが分かったところで、
具体的に神経症とはどのような特徴があるのか整理していきたいと思います。
引き続き、早稲田大学理工学部教授の加藤諦三氏のHPにある講演から、
引用しながら記述したいと思います。
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神経症の特徴① 【非現実的欲求】
精神科医のカレン・ホーナイ(Karen Horney)によれば
「神経症者のする欲求は非現実的である」という。
「~すべきだ」という思想を相手がどんな状況であろうと欲求する。
本人は当たり前だと思っているが、第三者から見たら高慢なのにも関わらず、
「病気になるはずがない、年を取るはずがない、自分から人が離れていくはずがない、自分は成功者になるべきだ」と言う。
他人は分かるが自分は分かりにくい。
神経症の特徴② 【自己中心性】
同時にカレン・ホーナイは「神経症者は自己中心性がある」とも言っている。
例1)
自分がパーティーを企画して欠席者が出たのが許せない。
自分が病気になって見舞いにこないのが許せない。
向こうにも事情があるだろうにそれが分からない。
「自分がこんなに悩んでるのに裏切られた」
そのことが他者がどうあれ1st priority(最優先事項)であると考える。
人間関係のうまくいく人というのはできないことを欲求しないものなのだ。
例2)
自分が上司に親しみを感じるが、
上司から自分を見たら感じてないかもしれない。
しかし、それが分からないのだ。
例3)
上司の距離が5で、自分の距離も5の距離にいると思っている。
彼女との距離が5で、自分の距離も5の距離にいると思っている。
「自分の現実が唯一の現実」で他者の現実は想像できない。
「自分が何かして相手は感謝するのが当たり前」と考える
例4)
夜分遅くに電話を掛ける、迷惑だと分かっていてもそれを行動に起こす。
自分だけは特別にその行為が許されると思っている。
例5)
小鳥に寒そうだといってお湯を飲ませて、結果殺してしまう。
このように、自分の物差しでしか物事を計れない。
「自分の知っていることが他者も知るべき唯一のこと」になるため、
いずれ「お前はこんなことも知らないのか」
という言い方が口癖のように多くなってきて何でもかんでも褒めないと不満になる性格になる。
ジョージ・ウェンバーグ曰く
自分が自己中心的な理由で悩んでいるにも関わらず、
「誰も俺のことを分かってくれない」と言い出すのが神経症者の特徴である。
ちなみに、この台詞は世界一多い台詞だそうだ。
神経症者は「悩んでいる人というのは、世界で自分だけ悩んでいる」と思っている。
この点については、一度反省してみることが大切である。
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現代の日本人にはこのような人が大量生産されているように思えてならない。
神経症は「英:Neurosis 独:Neurose」
つまり「ノイローゼ」と言う意味が分かる気がします。
③④は別途記述します。
人に悩みを植え付ける根源である神経症・人格障害者への考察・対処法まとめリンク
http://aikansyheiwa.blog21.fc2.com/blog-entry-243.html
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