自体愛→自己愛→対象愛への進化2 (自己愛・対象愛 編)

フロイトは自体愛(リビドー:口唇期・肛門期・男根期・潜伏期など)で全てを説明しようとしました。
心理学の話で出だしのこの、自体愛の性欲で説明するところで多くの人は「?」となり、「それだけでは説明できないんじゃないの?必ずしもそうとは限らないんじゃないの?」と疑問に思う人が多いと思います。
実際にフロイトの弟子は何人も、そんなフロイトを疑問に思い、独自に心理学の派閥を作って来ました。
特に自己心理学派の「ハインツ・コフート」という人は、自体愛は、自己愛となり、対象愛へと移行すると言いました。

フロイトは「自己愛」(ナルシスト)というのが大嫌いで強い「精神病」よりの傾向と考えていました。つまり会話で共感することすらできないので治せないということです。
要するに、自己愛の人は、わがままで自分のことしか興味もなく自分のことしか話さないので、手の施しようがないと精神科医フロイトはさじを投げていました。
コフートは、この自己愛を嫌って、自体愛だけに固執するフロイトモデルに対して「愛(自体愛)→未熟な自己愛(自己愛)→成熟した自己愛(対象愛)」というモデルを主張しました。
自己愛の段階を「未熟な自己」と「成熟した自己」に分けたのは、フロイトが「利他的な愛(対象愛)を持っていないのは大人ではない。」と考えていためです。
フロイトは、自己愛の人は、自分のことしか考えてないので「他人のため」なんて考えもしないと思っていました。
コフートはその対象愛を否定的に(他人のことだけしか愛する人間なんてありえない、必ず自分も愛する気持ちもあるはず)考えたため自己愛を2つに分けることで、自己愛の人でも成熟してれば「対象愛」があると言いました。
コフートの言葉を借りれば、
自分が愛されるためには、まず相手を愛す必要があります。
何もしてないのに愛されようとするのは未熟なのです。
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テーマ : うつ病(鬱病)、メンタルヘルス
ジャンル : 心と身体
