フロイトが嫌われすぎたわけ

これまで下記で記載してきたように、フロイトは人の心を学問的(構造的)に取り出して研究しようとした点において、先駆者として大変優れた人物であった。
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19世紀の偉大な思想家としてフロイト、マルクス、ニーチェと並ぶのも分かります。
ただし、フロイトは、全て動物的本能で語ろうとしたり、女性は男性のように去勢脅しがないため超自我が劣っている、男性は脅しによって超自我が植え付けられるから優っているという男尊女卑な考え方、その他、理性や合理を持ち上げるユダヤ人的な偏った考え方だったので、ひどく嫌われました。
※早い話が、弱肉強食の食物連鎖。メスよりオスが強い。そしてその動物のトップに君臨する「人」は理性的で合理的(損得勘定=お金儲けで偉い)というフロイトのユダヤ教的な考え方。
それを示すかのように、弟子たちもから派閥も多岐に別れ、多くの派閥を生みました。
分析心理学、クライン学派、個人心理学派、人間的心理学派、アンナ・フロイト派、行動主義心理学派、自己心理学派、新フロイト派、自我心理学派、ゲシュタルト心理学派、パリ・フロイト派、現存在心理学派、実存心理学派、対象関係論学派、認知心理学派・・・
はっきり言って、ここで多岐に別れ過ぎたのが、今も日本において「心理学」でイメージができず、何ともつかみ所のない、胡散臭そうな学問にされてしまった原因の一つの気もします。
(最大の元凶は「リベラル・アーツ」という世界の学問価値を日本人が知らず、心理学を古典的なまま、哲学=文学とさせて文学部に位置づけたことです。)
日本においてはフロイトかユングかしか知らないのも、あまりに領域が広すぎて把握しきれないので教えられない、あるいは元々日本で代表的な心理学者がユング派の河合隼雄(1928~2007)氏だったこともあって、「心理学者」というよりは「フロイト学研究者」「ユング学研究者」の人が増えました。
フロイト・ユングの時代は、まだ「科学」があまり発展していなかったため、「こころ」を研究するのに哲学という論理的な基盤の上に、「神話」や「占い」や「魔術」などの当時の古典文学から説明する言葉を借りてくるしかなかったのです。
日本ではいまだにこの70年以上前の古典文学の心理学時代で止まっています。
正確にこんな呼ばれ方はしていませんが、これらの昔の心理学の時代を、「古典文学心理学」の時代と呼ぶことにします。
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テーマ : うつ病(鬱病)、メンタルヘルス
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